FC2ブログ

これがあるべき「姿」だろうと思う:インフルエンザ診療

話題は「インフルエンザ治療新薬を使わない理由について」ですが、
腰痛の診療も似ていると思います。

以下転記

■ゾフルーザ不採用の亀田、インフルエンザ治療のそもそも論
【時流◆抗インフル薬2018-19】
亀田総合病院感染症科部長・細川直登氏に聞く

 バロキサビルマルボキシル(商品名ゾフルーザ)の本格登場が話題の
本インフルエンザシーズンにおいて、シーズン入り直前の2018年11月に
「ゾフルーザ採用見送り」というタイトルのブログ記事を掲載し、全国の
医療関係者の耳目を集めた亀田総合病院(千葉県鴨川市)。
流行真っ只中の今、“宣言”に込めた真意を、同院感染症科部長の
細川直登氏に尋ねた。

「その新薬でなければならない理由があったのか」

――貴院感染症科のブログに「ゾフルーザ採用見送り」というタイトルの
記事が公開されたのが2018年11月。その1カ月後には、理由を解説された
記事を追加掲載されました。それだけ反響があったのでしょうか?

 反響はかなりありましたね。
Twitterで「亀田の英断」などというツイートもあったという話ですが(笑)、
そんな思い切ったことをしたつもりは僕らにはないのです。
われわれは元々、ゾフルーザは「今すぐに使うべき薬ではない」と
認識していました。
こうした基幹病院では地域の医療機関から問い合わせを受けることも
多いので、当科Facebook担当の黒田浩一医師が記事にしてアップして
くれたのです。

 新薬は大抵、登場当初はすごく評価が高いものですが、
数年たつと評価が変わることがままあります
新薬の承認に向けた臨床試験では、対象が限定的な上、医師の監視下で投与されますから、
効果は過大評価されがちです。
逆に、副作用のように「確率は低いけれど大きな問題」は見えにくくなり、大抵は市販後に分かります

 その薬以外に方法はなく、患者さんにもよく説明して承諾が得られていれば、
市販後調査の結果評価が変わってもよい。
しかし、抗インフルエンザウイルス薬はそういうタイプの薬ではない、というのが
われわれの考え方です。

 無論、誰かが試みなければ知見は得られないのですから、新薬の使用を
批判する気は毛頭ありません。
しかし、新薬を投与した患者さんに副作用が出た場合、その医師はやはり
「その薬でなければならない理由があったのか」を問われます。
これは新薬の使用を決める際の、重要なポイントになります。

医師は新しいものが好き、患者も好き?

 医師は皆、医学を学んできている科学者です。
科学は「something new」がなければ駄目な世界なので、新発見に高い価値が
置かれ、「新しいもの=良いもの」となりがちです。
ですが、新しくてもよくよく吟味すると良くない点が見えてくることがあります。
このときに重要なファクターになるのが、「何のためのものか」ということです。

 例えば、あなたの担当医に「これはまだ誰も試したことのない、世界初の新薬です。
あなたの病気に効くかもしれないから、ちょっと試してみましょうか」と言われたとします。
その病気が感冒だったら、試しますか?

――いいえ、感冒ですから。

 その感冒に対して、「医療レベルの高い国であればどこでも使われていて、
これが今一番良いとされている治療法があります。一番治る確率が高い方法
ですが、これはどうですか」と言われたらどうしますか?

 さらに、あなたの病気は感冒ではなく末期癌で、明日には死ぬかもしれない
状態だとして、「この新薬だったら一発逆転できるかもしれない。世界でまだ
誰も試したことのない新薬だし、だめなら死んでしまうけれど、うまくいけば
生き続けられる可能性は3割くらいあるかもしれません」と言われたらどうしますか?

――明日死ぬかもしれないなら、賭けてみます。

 そういうことです。インフルエンザは明日死んでしまう病気ではない
毎年ほぼ必ず流行る、自然現象のような感染症です。
大抵は薬を使わなくても治りますし、インフルエンザによって
人類が滅亡の危機に瀕したこともありません

スペイン風邪の時には世界で何千万人もが死亡しましたが、医療環境が
異なる現代でそれを懸念する必要はありません。

 そもそも、インフルエンザはオセルタミビル(商品名タミフル)が登場するまでは
薬がなくても困らなかった疾患
です。
高リスク患者(高齢者や2-5歳未満の小児、慢性疾患患者や免疫不全者、妊娠女性など)以外は、
解熱薬で熱を下げて、栄養を摂って、寝ていてもらえるのが多分一番良い。

 だから、われわれは市販後に分かってくる知見を待って、使うかどうかを
決めるというスタンスなのです。他の先生方に影響を与えようというものでは
ありません。 どの薬を使うかは、あくまでもそれぞれの施設で、
プロである医師が判断すべきものと思っています。

健常成人へのタミフルは効果わずか

 ゾフルーザの評価をするには、現状の抗インフルエンザウイルス薬の評価が
どうなっているかを押さえなければなりません。

 タミフルやザナミビル(商品名リレンザ)といったノイラミニダーゼ阻害薬については、
2014年にコクラン共同計画によるシステマティックレビューの結果が公表されています
(Cochrane Database Syst Rev 2014; (4): CD008965)。

 製造販売元からデータ提供を得るなどして、107件の臨床試験データを再分析した結果、
健常な成人インフルエンザ患者では、ノイラミニダーゼ阻害薬を投与すると有症状期間が
約1日短縮することが分かりました(タミフルは7日間から6.3日間、リレンザは6.6日間から6.0日間に短縮)。

 タミフルによる入院や合併症の減少効果は認められず、肺炎については、
肺炎の定義が各臨床試験によってバラバラで、評価ができる状態ではないことが
分かりました。リレンザでは入院についてのデータがありませんでした。

 各国で国家備蓄されるタミフルをもってしても、ささやかな治療効果しか
得られないというこの結果から、コクランのレビューアーらは、タミフルの
国家備蓄を中止するよう英国政府に進言しています。
世界保健機関(WHO)も必須医薬品のリストからタミフルを外し、
「補足的な薬」に格下げしました。

 一方で、インフルエンザの合併症高リスク患者については、タミフルは
死亡リスクや入院リスクを減少させることが確認されています
(Ann Intern Med 2012;156:512-524)。
われわれも、高リスク患者や妊娠女性においては、発症48時間以内を
基本に抗ウイルス薬を投与していますし、症例によっては48時間を
超えても投与を検討することがあります。

 日本で昨シーズン最も多く使われたラニナミビル(イナビル)については、
成人でタミフルへの非劣性が確認されていますが、海外12カ国で行われた
第II相試験では、プラセボに比較した有効性が示せませんでした。
既存薬に非劣性だからといって、プラセボに優るとは限らない


<中略>

――患者さんに「新薬を試したい」と言われたら、どうしますか?

 経験上そうはなりません。
患者さんの希望は当然聞くけれど、全て希望通りにすることが
良い医療ではありません

患者さんには冷静な選択をするための情報提供を十分にしなければなりませんが、
インフルエンザ診療のように時間の制約がある場合は、専門家が
薬のベネフィットとリスクを適切に評価し、方針をある程度決めて患者さんに
提案するのが、医師としてのプロの仕事
だと私は思います 。

以上、転記終わり
(よく読んでいただくと途中、細川先生が「インフルエンザと感冒に
大差はない」とお考えになっていることが、おわかりになると思います。
まっとうなご見解だと思います。)


腰痛診療も似ていると思いますよ。
レッドフラッグの鑑別がまず行われるべきで、レッドフラッグがないなら、
治療法のリスクとベネフィットのバランスをよく説明した上で、
患者さんに判断を…ということでしょうね。
ただし、文字に書くとこれはわずか3行程度のことですが、
実際の診療行為の中では、どれほど時間がかかることか。
だけど、これをやらずして腰痛診療は成り立たないと思います。

きむら接骨院


スポンサーサイト



日本の腰痛診療の問題点

以前、ある腰痛患者さんが、ご自身の腰部の画像をお持ち下さったことがあります。
※読影は致します。法規制により柔道整復師は「診断」はできません。「診断」に関する権利を付与されていません。



上の画像の物に加えて、MRI画像とX線画像を2組。
合計3組の画像をお持ち下さいました。
1ヶ月の間に、腰痛で3軒の病院を受診されたのだと。

で、結果として、3軒受診してみたら、1軒ごとに診断が異なるのだそうです。
1軒めでは椎間板ヘルニアだと。2軒めでは腰椎分離症だと。
3軒めでは脊柱管狭窄症だと。
※いずれの病院でも、その分野のご専門のベテランの先生がご対応下さったそうですが。

奇妙なことだと思いませんか?

なお、この患者さんは、現在はすっかり快復なさっておられます。
手術を受けること無しに、です。

きむら接骨院

テーマ : 整形外科の病気
ジャンル : 心と身体

2018年末~2019年始

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
この年末~年始は、私の中での最高の年末~年始を
過ごさせていただきました。
というのもですね…

詳細は当院のインスタグラムでどうぞ。

まー、あの1月2日は、コレ私の誕生日なんですが、高校サッカー選手権2回戦、
NACK5スタジアム大宮での帝京長岡対旭川実業の、あのPK戦の激闘の後の
スタンドで、
コレのサビのところだけがやけに聞こえ具合が良かった日には・・・
どうなったかご想像下さいw

まー、日本サッカー史上に残る「伝説のPK戦」だったわな。
※帝京長岡#4吉田が1巡目のPK成功の直後の軽くジャンプ→ガッツポーズで
 脚を攣らせていたってのは、ここだけのハナシw


で、この日は現地に宿泊、翌日は再びの浦和駒場スタジアムで3回戦、ここも苦しみながらも
勝ち抜けと。
苦しんではいたけれど、私は確信を持っていた、この試合は勝てるだろう、
勝つだろうと。いわゆる「勝利を信じている」というのとは違う「勝つことを
確信している」ってヤツ。
結果はその通りになり、一昨日の準々決勝・・・は行けませんでしたが、
おかげさまで、良い年末~年始を過ごさせていただきました。
以上、近況のご報告でした。

皆様方には、どうか本年もよろしくお願い申し上げます。

きむら接骨院

テーマ : 整形外科の病気
ジャンル : 心と身体

プロフィール
新潟県長岡市のきむら接骨院です。

きむら接骨院@長岡市

Author:きむら接骨院@長岡市
新潟県長岡市の きむら接骨院 です。
腰痛をはじめとした「痛み」や
「しびれ感」でお困りなら、
きむら接骨院へどうぞ。

新しい「腰痛診療指針」の策定以前から、
同様な趣旨の独自診療指針によって
成果をあげています。

きむら接骨院のサイト

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR